第3回とちぎ地域・自治研究所定期総会記念講演

自律の村は安心の村

開催日:2004年7月17日(土)
開催場所:
西方町中央公民館
講演者:長野県泰阜村長 松島 貞治

はじめに

ご紹介にあずかりました長野県泰阜村の松島でございます。

今日は栃木県までお呼びいただいて恐縮いたしております。先週は岩手県でしたが、月に何回かあちこちに呼ばれています。 私は、そもそも医療・福祉の方が専門分野ですが、最近は合併問題で、90%は合併に反対しておられます住民グループの皆 さんから呼ばれるケースがほとんどでございます。私は決して合併に反対するわけではございませんが、 私自身の村が合併しないということを今年の私自身の村が合併しないということを今年の4月に正式に決めまして、 そんな関係で、合併に反対するみなさんからほとんど呼ばれているというようなことでございます。 先週だけは、岩手県の普代村というところに行ったんですが、そこは、今、(西方町の)町長さんの話にもございましたが、 広域行政はこっちだけれども、生活圏はこっちで、とりあえず隣の町と合併しようとして、隣の町と任意協議会、 法定協議会まで作って合併をしようしとったら、隣の町がその村との合併を止めたというむごたらしい話で 相手がいなくなったというのがありました。今、日本全国でそういうところが実はできてしまっています。 組合が主体ではございましたが、村長さん助役さんが講演料を組合から出せとか言って、実は村全体で講演会をやったというところへも 行ってやってきました

どこ行きましても、今日もここに来ましても、つくづく思いましたのは、大変恵まれた地域であるという事です。 何が恵まれていますかと言いますと、要するに平坦でございまして、非常にいいところだなぁという印象をもっています。 私の村は長野県の南の端でございますが、だいたい100m平らなところを走るということはないんです。 山坂でございまして、集落は19に分かれていますし、西側が天竜川でこっちは山でというところで遮られています。 こういうところに住んでおりますと、これは岩手へ行っても、四国へいっても、和歌山県へ行っても、岐阜県にいってもそうですが、 本当に私の住む村より条件の悪いと言うところというのは、たとえば、奈良県の奥の方だとか、和歌山県の奥の方にはありますが、 まあ、四国の一部とか、ほとんどみんないいところで、幸せなところに住んでおられて、いいなあといつも思っております。 今、合併問題の視察で私の村に週に3回か4回はお見えになられるんですが、 泰阜村に来て泰阜村が平坦でいいですねと言ったところもあるんですよ(笑い)。 四国から来た方でですね…日本全国には大変なところもあるんだなあと思っておるわけです。

私の村は、人口2,200人といっておりますが、実際は2,150人ぐらいです。 4月に、当面、今の合併特例法期限内には合併しない事に決めました。それは、地理的条件のことが一番大きな理由でございますが、 いろいろ考えまして、隣の村も合併しないことに決めました。長野県には市町村は117あるんですが、最終的には70ぐらいになるのか、 60ぐらいになるのかわかりませんが、とりあえず私どものところは合併しないと言うことにしました。 その辺の話も踏まえて、これからの地方自治についての私の考え方を述べさせていただきたいと思っております。

1 これからの行政に求められるもの

町長さんのお話のように、どうシミュレーションをしても合併しないとやっていけないという中で、 じゃあ、本当にやっていけるのかということに話を触れておきたいと思います。 私は高校を卒業して、役場の職員をやって、村長をやっているというだけで地方自治の勉強もやったこともございませんし、 見識もなくて、ただただ勝手な事をしゃべっておるだけでの人間でございます。 今日は、もしかしたらハイレベルの学者の先生とか、地方自治体の議会議員の方とか職員の方とか、 ハイレベルな方がいらっしゃるかもしれませんが、決して理論的な学術的な話はしませんので、 そういう点では期待しないでいただきたいと思っております。

長野県知事選で考えたこと−民意を汲むということ

まず、私が村長になって10年が経過するんですが、この10年間でやっぱり世の中がものすごく 変わったなという話をしたいと思います。私が村長になったころは、まだ行政の、市町村長の仕事といってもいいと思いますが、 とにかく県と太いパイプを持って、国と太いパイプを持って、たくさん補助金を取ってくるというのが市町村長の大きな仕事でございました。 特に、戦後政治の90%、99%と言ってもいいでしょうが、道路整備というのが泰阜村の村長の仕事でございました。そのために、 とにかく補助金をたくさん、よその村よりも100mでも長くやるというのが村長の行政手腕ということでございました。 まだ、平成6年のころでございましたが、そういうような時代でございました。

ところが、そのころから変わっておったと思いますが、私どもに非常にショックであったのは、 国で言えば自民党を壊すと言った自民党の小泉さんが総理大臣になるという大きな変化がありましたが、 長野県では田中康夫知事が3年前に誕生しました。その事も私どもにとっては非常にショックな出来事でございました。 と申しますのは、あのときの選挙は、結果的には田中康夫さんと池田さんという前の副知事の二人の選挙になったんですが、 私どもは、大変お世話になった前副知事を、私も含めて120市町村長みんなが必死になって応援したわけです。 私の村では70%を超える得票が前副知事でした。それぐらいの期待をもって、新しい知事になってうちらの道路を 早く良くしてもらおうという思いで私も含めて議会議員も全員、副知事を応援したんです。 過疎の山村では、ほとんど70%とか、高いところで80%の得票をえていました。選挙で、1人の候補が 7割、8割も取るなんていうのはほんと異常で大変なことですが、私どもはそれぐらい頑張ったんです。

今は、開票が始まると、この間の参議院選挙もそうですが、8時1分になると当確が出ます。あれは選挙民に対して失礼じゃないかと思うんですが、そのときも8時少し過ぎに当選確実が出て、私も選挙事務所にいたんですが、「早く出てよかったな」とある先輩が言って、一杯やっていいのかどうかわかりませんが、それじゃ一杯やるかと言う話になったんです。その人は、当然、池田さんの当確が出たと思ってしゃべっていたんですが、いやそうじゃなくて、当確が出たのは田中康夫だという話になって、選挙事務所でみんな一様に驚いたんです。1週間ぐらい前からマスコミの皆さんに絶対今回の選挙は田中康夫だって言われていて、本当かなと思っていたんですが、結果的にはそういう圧倒的な結果になったんでございます。

そのとき、私は、最近は田中派みたいに言われているんですが(笑い)、一生懸命やって、 私の親しい県会議員もそうだったんですが、そのときに何を考えたかという事なんです。 結局、私たちは民意と言う言葉を良く使うんですが、どうも民の心というものと行政というものが全くかけ離れていたんでは ないかということだったんです。要するに、先ほどいましたとおり、私どもは国や県と太いパイプをもってたくさん補助金を もらってくるという事が行政だと考えたんですが、実は本当に生活している住民の皆さんが行政に期待している事は、 そういうことではなかったのではないかということを、賢明な、賢明なというのは自分のことを言っているんですが、 賢明な県会議員や市町村長が考えたと思うんです。

直感的に私たちはそう思いました。今までやってきたことは、120市町村長が応援して、 共産党以外の県会議員の全員が応援して、ほとんどの市町村議会議員が応援して、あらゆる業界が応援した人が選挙で負けたんです。 そのあと、時を同じくしてしばらくあとに福田昭夫知事が当選されましたが、そのことをどう考えたらいいかというときに、 先ほど言ったように民の心と行政、為政者の考え方が違っていたということを感じているんです。

最近、長野県の須坂市という市で、体育館を建設するという話が出たんですが、 その体育館を何十億も出して建設するということに対して住民から反対運動が起きたんです。 市長が提案して、予算も建設も含めて議会で可決しているわけですから、行政手続き上何の問題もないわけです。 だけど、住民が反対運動を起こして、この建設が中止、いわゆる凍結されるということは、今まで私どもの中では考えられなかった話です。 これはよくよく考えてみると、行政の我々がやろうと思っていた事に対して、住民がノーと言うような時代になったということです。 この事も含めて私たちは、我々を含めた市町村長や議会議員や県知事や県議会議員は本当に民意を汲む努力をしてきたのかどうかということを つくづく思ったわけでございます。

住民が行政に望むもの−福祉、教育、環境

私の村の隣の伊那市というところで3年前に選挙があったんですが、選挙の前に、住民の皆さんにこれからの行政に 望むものはなんですかというアンケート調査を取るんです。取ると1位が福祉なんです。 福祉、教育、環境というのは最近三種の神器のようにいわれるんですが、まさに福祉であり教育というのは住民が要望することの 1位2位3位となるわけです。

私、3月に横浜市従業員組合のシンポジウムに呼ばれました。350万人の自治体のところに2,150人の村長が行って 何になるんだっていいましたら、なんでもというのでシンポジウムに行ってきた時に横浜の話を聞いてきました。 中田市長になって、私の中の中田さんは改革派市長で、かなり評価が高いのかと思ったら、 その従業員組合の方は我々は評価しておらんと言っておられましたけれども、その横浜市で、去年まで17年間市民が行政に望むものの 第1位は福祉だったということです。今年、1位に変わったのが治安ということです。外国人が増えたりいろんなことで、 やはり物騒だということで治安が1位になって2位に福祉ということになったんだそうです。

今年、長野県内の市長選挙前の住民のアンケートをとっても、1位がやっぱり福祉です。福祉、教育、環境ということになるんです。 ところが、市町村長が当選すると国道○○○号線を早期改良をしなければならないということで、議会議員一同と村長や市長が一緒になって、 関東整備局のある大宮に寄って、それから国土交通省に行って頼んでくるということになってしまいます。 当選する前の住民の調査によると福祉、教育、環境が行政の一番として持つべきものだと言うんだけれど、当選しちゃうと、 何故か道路改良を早くしろとか、あそこの補助金を早くよこせとか、村長も議会議員もそういうことになってしまう。 どうもこの辺に行政のあり方という点でおかしなことがあるんじゃないのかということを長野県の知事選以降考えているんです。

そういう風に思ってこれからの行政を考えてみますと、(西方町の)町長さんがいわれました、 この公民館に新しい文化ホールを作るというようなことは、力のある自治体はいいんですが、私どものようなところではできません。

私が村長になるときにハードからソフトに転換ということをキャッチフレーズにして平成6年の選挙をしたんですが、 そうはいっても各集落の集会所とか古くなった老人憩いの森を建設するというようなことをやってきましたので、 村長はソフトソフトと言っていながら、やっていることは箱物建設ばかりじゃないかとすぐにそういう風に言われるんです。 必要だったので更新のために建て直したのに、口の乾かぬうちにすぐにハード村長だといわれるんですが、まあ、そういうことはやってきました。

しかし、これ以上、新たにどんどんどんどん文化会館や、7〜8mもある道路が必要かというと、 どうですか、皆さんのところで必要だと感じておられるんでしょうか? 私のところでも、19の集落があって、 さっき言いました100mも平らな所がないようなところで、役場から一番遠いところでは25kmはなれている集落があるんです。 買い物に行くのにも片道40分掛かるところがあります。その集落があるので、集落と集落を結ぶ道路というのはまさに道路は福祉と 私も言っておりますが、公共交通もないですから、本当に必要な道路なんです。 それでも、2.5mの道路で全集落を車でいけるようになっておりますが、村会議員からは2.5mの道路を5mにせよという要望も 結構強く出されます。「とにかく、村長。この間すれ違うのに、すれ違えないので、大変な目をして、おら10mもバックした」 とかこと細かくいうんです。3ヶ月に1度のことを毎日同じ目に会っているようにいうんですが、そうはいっても、私も見てはおりまして、 道路は良いのは良い、悪いのは悪いので、2.5mの道路を5mにするような幹線道路の道路整備もやっております。 公共事業を生活の糧にしておられる方もおられるので、そういうことを考えると、工事もできないと言う事もありますし、 大事なところもありますので整備もやっております。

在宅福祉の村−小さい単位だからこそできる在宅福祉

しかし、2.5mの道路を5mにしなければ明日から生活できないということは田舎でもなくなりました。 ところが、脳卒中、うちでは脳卒中が多くて、最近はほとんど脳梗塞ですが、たとえば脳梗塞で倒れて、 入院して症状が安定してくると病院も今は儲からないんで、早く帰れと言う話になりますよね。私のところは在宅福祉の村と言っておりますが、 最近では引き取れないという家も出始めて困っております。そうなると、施設をたらい回しになってしまいます。 かわいそうだと子どもが怒るんですが、それでも、病院から帰れと言われて帰ってきます。 その人をお世話するのに明日からヘルパーさんを派遣して欲しい、明日には訪問介護を派遣して欲しい、ベットも今日退院してくるんで 今日貸してくれという話があれば、それは道路の改良のように、もう3年待て、もう2年待てとはいかない話ですよ。 そうなると、やっぱり福祉サービスという話はどうしても今日明日避けて通れない。むしろ住民はその方を望んでいるのかもしれませんから、 そういう人には対応しなければならないわけです。

またうちのような村でも、子どもが生まれると、昔のように田舎のおじいさん、おばあさんが居て面倒見たり、 親もお母さんも居て3歳ぐらいまで一緒に生活するのが理想だと思っておりますが、最近は働きに行かないで、0歳児でも預かれとか 1歳児でも預かれという要望もうちのような村でも出てくるんです。そうすると0歳児でもやっぱり預かるということをやっているんです。 1歳児でも預かる。それは働きに行く人にとってみれば、そうしてもらわなければ困るということで、やっているんですが、 村長はおじいさんやおばあさんの事ばかりいって、若者のことを全然考えていないというようなことをすぐに言われてしまいます。 別にそんなことはないんですが、でも考えろということになるんです。

そういうことを考えて行政の現場におりますと、どうも道路をどんどん作ったり、建物をどんどん作ったりすることより、 やっぱり安心して暮らせるような福祉施策、子どもを預かってくれるような子育て支援策、学校の子どもも土日休みになったけれども、 NPO法人に委託して土曜学校と言うのをやっているんですが、そういう意味で学校の子どもたちの教育を土曜日も安心して うちにいられるというような、そういうことが実は道路を良くするとか何とかでなくて、本当に住民が要望する事ではないのかというところに 行き着くと思っております。

私のところも、たとえば議会議員という方がおられます。声を大きく出せる議会議員という立場の方もおられます。 まあ、集落代表の区長さんで声が大きく「村長何やってるんだ」とすぐ声に出せる立場の方もいらっしゃいますが、 私に対してそういうことをいえない皆さんというのは、うちで高齢者だけで住んでおるお年寄りだとかですね、まあそんな大きい声は出せんけど、 一人でがんばって暮らしとるという皆さんがおられまして、そういう皆さんが私にどんな事をいうのかというと、 必ず「村長、とにかくおれらは迷惑かける事になるんで、そんなに大きい事は言えんけれども、とにかくいまさらどこに行くと言う訳にも いかんので、死ぬまでここにおるから頼む」と言う風に私に言われるんです。 私は、たぶんね、その声っていうのが本当に、まさに住民の声だと思っております。私は、どうもそういう声を本当に大事にしていくとなると、 やっぱり福祉、どうもこれからの行政は、やっぱり住民のアンケートにもあるように、やっぱり福祉とか、子育て支援でありますとか、 本当に考えるとすると環境みたいな話で、やっぱり山も大切にと言うようなことを考えています。 そういうことを大事にしていくべきじゃないのかと思うんです。

その事を皆さんよく考えてみますと、行政の単位というのは、大きくしていい事は何もないと思っているんです。 今言った福祉だとか、子育て支援だとか、先ほど乳幼児医療の話が(西方町の)町長さんからもございましたが、まさにそういうことなんです。 西方町だからできるというようなものですよ、その乳幼児の窓口無料、窓口で入りませんと。本来、無料化というのは窓口でやるんです。 そうでなければ千円払って、1週間後に書類を書きにいって、捺印して返してくれって言ったって、行く手間を考えたり、用紙代だってかかる、 そしたら千円払ったほうがよっぽど都合がいいとなっちゃうかもしれません。それも含めて、西方町だからできる、 この単位だからできるんだと思っております。

福祉も、子育て支援も、0歳児の保育も1歳の保育もやるっていうことで、私のところは在宅の福祉の村ということで、 ずっと10年間、本当はそちらの方が私もさきほど冒頭で言ったとおり本職なんですが、在宅福祉をずっとやってきましたか。 うちの村は、介護保険料が3,600円と高いんですが、利用料を軽減しています。要介護者が10万円サービスを受けると、 1万円払うと言うのが今の介護保険制度ですが、うちの村は、その前にはじめたお医者さんが、とにかく国民年金しかもらっていない人で、 高齢者に金なんかないから全部ゼロにしろ、ヘルパーが何回通ったって負担金ゼロ、訪問看護が行ったって、今でいう利用料ゼロ、 診療所の窓口負担金はゼロ、診療所が患者さんを送り迎えしていてそれも100円ばかりだったのが、それもゼロ、福祉サービス、 医療サービスにしたって、当時は医療は老人医療費無料でございましたがゼロ、1円も取っていなかったんです。 介護保険だって急に1割負担というのはできんということで、いろいろ考えたんですが、結局6割を村が肩代わりしております。 従ってうちでは10万円サービスを受けると本人は4,000円払えばいいんです。そんな事がいいのかどうかという話になりますが、 いいとか悪いとかじゃなくて、泰阜村は介護保険者として、これを充分この制度に基づいて徹底してやっていくには、 これしか方法がないということで、6,000円在宅サービスについてのみ村が肩代わりしております。

いろいろ話がございまして、やっぱりこの話も、泰阜村が勝手にそんなことしていいのかという話で、県は困っちゃって、 私は直接聞いていませんが、好ましくない、厚生労働省も好ましくないと答えたそうです。 で、いろいろ協議したら、プラス福祉医療のような、先ほどの話で、とりあえず還付方式ならとりあえずいいだろうというようなことも いったのですが、還付方式じゃ意味がない。先ほどの話で、還付方式では意味がない。それなら別にいいということで、本人からは 4割しかもらわないということでやっております。視察にくる皆さんが「ペナルティーはないんですか?」っていう話が一番良く出るんですが、 「ペナルティーがあるのかどうかわかりませんが、特にはないんじゃないでしょうか」っていうと、 「そんなことはない。うちの県では期限が切れたらとんでもない事になる。」なんて言われたことが本当かなんて質問があるケースもあるんですが、 それはわかりません。それは県の対応によってわかりませんが、私のところはではそういうこともやっておるんです。

また、上乗せサービスといって、要介護度4とか5で在宅という介護者がいないようなケースもあるんです。 厚生労働省では介護度5で介護者がいないというケースを想定していない。そういう人こそ、特別養護老人ホームを利用していただきたい という事になるんですが、そのとおりだとは思いますが、在宅福祉の村ですから、どうしてもうちにいたいという方は、いられるようにして やろうということで、必要なことに必要なサービスを提供してやろうということでやっております。普通の人は1日3回はごはんを食べて、 オムツもあんまり濡れていない様にするということになると、1日にヘルパーが6回から7回、最高8回ぐらいまで行かなければ、 そういうサービスはできません。1日にヘルパーが7回行きますと、30分から1時間の身体介護で4,020円掛かると、 7回で28,000円、8回で32,000円1日に掛かります。2万円とか3万円ぐらいかかっていたとすると、 1ヶ月で100万円です。デイサービス利用者は何かと言うと、70万から80万掛かっちゃうんです。 そうしなければその人は在宅サービスを受けられないということになって、今のところでは上乗せで皆さんの保険料でやるか、 本人が払うかというところで、まあそれはしょうがない。保険料でも何かでも上げて、あと本人が払うというのが、 全国の通例でございます。そうすると、要介護度5で35万8千300円の人が100万円をもらえば、 残り60万円を本人が払うという事をやっておりますが、たまたま例が出ましたね、あの新聞なんかで月30万も払っているという例が出ますが、 それをうちの村は在宅福祉の村で、全部村が出しております。うちの村でも要介護度4の人が約30万円までサービスが受けられますが、 3万円払うところを40%で1万2千円払うと、月々70万でも80万でも100万円でもサービスが受けられるという風にしてやっております。

そういう風にして福祉サービスを実施しておりますが、それもこれも、やっぱりうちの村は高齢化率が高くて、 もう国より20年早く高齢化が攻めて来まして、今37〜8%ですが、あと5年ぐらいで65歳以上人口は減り始めます。 全国は増えます。これから団塊の世代の私たちを一番下にして55〜60ぐらいの人が20年後に、今は元気で何も感じずにおりますが、 今しっかりしておかないと、我々の世代が一番やばいんですよ。もうたぶん特養は姥捨て山になったりするし、 金のある奴は駅前の西方町特別高齢者賃貸マンションへ入れるけど、お金のない人は子どもも見てくれませんから、 特別養護老人ホームが姥捨て山になる。しっかりした介護保険制度を作っておかないと、我々の世代が本当に泣きを見ると思っています。 うちの村はそういうことで65歳以上の人口が減り始めるんです。ところが国はこれだけ大変なんだけれども、泰阜村はその前がやっぱり 大変だったんです。

で、この高齢化というのをどうするかという事で、泰阜村という行政単位で政策を決める事ができたので、 うちの村はいろいろな軽減とか上乗せサービスとか全部やりうることはやっているんです。そのおかげで医療費が下がって、 在宅死で亡くなる人が多くなったので、医療費が下がったんです。医療費を上げている原因は、うちの村の調査によれば、 間違いないと思うんですが、亡くなる前の終末医療の病院・入院したときが圧倒的なんです。透析の患者がおるといかんとか、 ガンがいかんとか、それは人口何千人に1人とか必ず出るんですから、いいんですそれは。もう入院の終末医療にあるというのがうちの例です。 うちは在宅で亡くなる人が増えて、在宅で何もしないかというとそうではなくてちゃんとやるんですが、それで医療費が下がってきましたので、 たぶん平成15年度で老人医療費は長野県で私の村が一番安いと思います。一番低いところで一人あたり46万円、一番高いところは北海道、 福岡は80万円を超えていますから、まあ約半分ぐらいです。長野県が一番って言ったってそれでも60万円ぐらいです。 その中でうちの村が一番低いんですから、高齢化率が38%、40%近くだって、医療費がこんなに安くやっている村もあるということで、 国民健康保険税は1世帯あたり6万9000円ぐらいです。

行政単位は小さく−政策決定を住民の身近なところで

そういうことができたのは、要するに泰阜村というところで政策決定ができたからだと思うんです。先ほど言ったとおり、 小さい単位がこれから行政サービスのいいものばかりが残っていくんだと思うんです。皆さんの受けられる行政サービスというのは、 まさに子どもを育てるための先ほど言われた乳幼児医療も、少しぐらいは面倒を見てくれと言うような話もあるのかもしれません。 で、保育園にもすぐに預けたい。幼稚園だろうが保育園だろうが預けたい。高齢者福祉でもやっぱり安心してうちで住みたいって言ったら、 うちで住めるようなことを考えれば、きめ細かいサービスって言うのは小さい単位の方がいいものばっかり残っているという事だと思っております。

しかも、そのサービスをどうするかということを決めるのが、西方町なら町長さんとか議会議員の皆さんが 「よし明日からこうするぞ」って言ったら決まるんですが、30万の市になれば、支所にいって話したって 「ちょっとその件は本庁に行って聞いてみないとわかりません」といって、返事がくるのに一月も二月も掛かっちゃうし、 そんなことが論議されたかどうかもわからない。要するに政策を決める場が遠くになるんです。

で、私は、逆にこれは、戦後の行政の中で、学校を作ったり道路を作ったり基盤整備を進めるときは むしろそれでよかったんじゃないかと思うんです。むしろ、みんながやっぱり同じように基盤整備を進めていくというような時代の行政だったら、 逆に大きくてよかったのかもしれません。今、これからの21世紀の行政を考えたときには、やっぱり行政というのは、 小さい単位の方がいいものばっかりが皆さんの行政に対する需要、行政サービスに求めるものって言うのはそういうものばっかりが 残ってくるんじゃなのか。じゃあ、これを兵庫県の前の知事の貝原さん、この方は自治省出身ですが、 知事が「大から小への時代」小から大への時代じゃなくて、むしろ大から小への時代だというようにいっておられますが、 非常に見識のある提言だと思って聞いているんです。

小さい単位だからこそ、3人目が生まれたら100万円払うなんて事ができるわけですが、そんなわがままなこと、 そんな町のことは大きくなったら聞いてられんって、すぐに言われるんじゃないかと思います。そういうことでこれからの行政を考えてみましたら、 政策決定を如何に住民に身近なところでやるのかということが非常に大事なことではないのかと思えてならないわけです。

それでは、政策決定を住民に身近なところでやるということができればできれば、本当にこれが住民のためのサービスになって、 これこそが21世紀の地方自治の原点じゃないかと私は思っております。そうすると、私のところは地理的条件ということもあって、 要するにどこと組み合わせしても中心にならないところなんです。まあ一番端になるんです。 

中心にならないところっていうのは、こういう力のある地域なら話は別ですが、私どものようなところは、過疎の山村というのは、 星がきれいでいいですねとか、緑がきれいでいいですねとか言われたって、まさに本当、星や空気を食べて生きるわけにはいきませんから、 生きる事が大変なんです。そういうところが日本の環境を守っているなんて言われながら、オオタカが飛べば道路の改装だって、 営巣調査で木が触れるって、もともとオオタカなんて江戸にいたり、こういう宇都宮にもいて、皆さんが追い出しちゃったもんで、 泰阜村に来ているだけなんです。泰阜村に隣の村へ行く林道を改装しているところがあるんですが、そこにオオタカが飛んだって、 営巣調査で1年間林道の工事がストップしたんです。それは誰が言ったって、うちらの村の人は誰も言っておりません。 別にまあオオタカの巣ぐらいしょうがないわって言っているだけです。都会の人がみんな言っているんです。都会の人は自分の事は忘れて、 自分たちのところにもともといたオオタカを追い出して、そこに住んで街を作っちゃって、川より低いところに家を作っちゃうんで氾濫して、 そうすると行政が悪いという話になって、すぐ堤防を作りなさいという話になるんだけれど、ただ地域って言うのは、そういうことで、 やっぱり自分たちの責任もあるし、自分たちの、よくよく日本の国土を考えてみればですね、そもそも江戸だって山だったんですから、 宇都宮だってたぶん昔はそうだったんだと思うんですよ。それをみんな住んで追い出したイノシシやシカやサルをみんなうちが面倒みている。

その林道の話で、林道もいいんですが、もうひとつ話が脱線してついでに言っておくと、 三遠南信道路といって長野県の飯田から浜松まで行く道路が作られているんですが、道路はあまりいらんようなことを言いながら 道路の話しているんですが、道路も必要な道路はあるんですよ。それでそこもオオタカが舞って、一年間止まったんです。 で、私とんでもないもんだって言ったら、「そうじゃなくてそれは、どうしても調査しなければ工事できません。」 それは誰が言っているんだといったら、「それは環境保護団体との調整が…」なんて話になりますが、 是非ですねここのところは都市と田舎の共生ということになりますから、ここのところは共生できなければ日本の国土は 崩壊するんじゃないかっていうのが私の持論でございます。

で、私のところは、星がきれいだ、オオタカが舞っておるって言われてもですね、何も助けてくれはしません。 合併してしまえば、一番端になって支所になっちゃう。役場が支所になっちゃうところなんです。役場が支所になると、 役場の職員が今約50人いりますが、みんなで3人ぐらいになってしまいます。3人ぐらい残して、みんな本庁に通うようになると、 村では比較的高給取りの役場の職員から、まず本庁の近い方へ家を作るようになって、財力がある奴がまた出ていって、 だんだんだんだん出ていって、最後に残ったのはもうどうしようもない人だけが残るというような地域になることは目に見えている地域なんです。 それは日本全国にそういうところはあると思うんです。どうしたって中心に流れる。でもうちの村が延々として、そうは言ったってやっておるのは、 役場があって、学校があって、そうは言ってもまあ大変なところだけれども、先祖が住んでいたところで、 泰阜村っていうところをみんなで守ろうっていう意識があるからこそ、役場をよりどころに、「村長またえれいこというなぁ」、 「しょうがないな協力せなっ」ということで守られているんです。そこのところを合併というのは役場もなくして、学校もなくし、 例えばここだって学校がなくなるようなことは絶対無いですよね。条件からして合併したって。そうじゃない地域もあるわけで、 私は村長として自分から村が疲弊していく姿を想像できるような合併の道を選択できないというのが一方にございます。

一方に、もうひとつの理由はいまずっと申してきましたように、これからの行政サービスを考えたときに、 やっぱり小さい単位でやるべきものばっかりが皆さんの行政需要じゃないかという思いが強くて、これはいろんなことがあってもやっぱり 小さい単位の自治体で残しておくのが一番住民のためではないのかということになるわけでございます。

2 厳しい財政状況下で自立の道はあるのか

市町村長や議会議員が政治判断を求められている時期

そこで、少しずつ財政の問題に触れていきます。先ほども町長さんから話もございましたが、どうやってもやっていけない。 うちの近隣町村も、合併しようとするところはみんなやっていけないという理由でございます。 しかも、ここ栃木県は昭和の合併でたくさんまとまったようで、町村の数も少ないし、村も2つだけとお聞きしましたし、面積も広いし、 人口も比較的多い自治体が多い。昭和の合併で多分進んだんだろうなと思っております。岩手県にいってもそうなんです。 昭和の合併が進んだんで、比較的面積が広く、人口も比較的多いところが多いんです。それをさらに合併っていうと、昭和の合併で慣れているので、 し易いと言えばし易いしかもしれませんが(笑い)、難しいなあという印象を岩手県ではもってきました。そうは言っても、私によく近隣町村長が、 「理想は泰阜の村長の言うとおりだけれども、そんなもんやっていけん」と言う話になって、村長と議会からやっていけないという風に言われると、 財政問題に関しては住民の皆さんはよほどでもなければ、それに対して反論する余地はないと思います。それはわからないと思うんです。 私だってわからないんですから、将来どうなるかなんていうことは。これは非常に国の責任が重要ですだけれども、わからないんで、 それはやっていけんと言われれば、やっぱり「それは村長が言えばしょうないわ」ってうちの村民を見ているとそうなんです。

私は住民投票もアンケートも反対というか、必要ないって考えておる人間です。それは何故かというと、 今回の合併は3200を1000にしろっていう国の話も根拠のない話でございますし、わからないんです。財政問題だって、 私ども総務省の担当の人と懇談の機会を地元の代議士の人が作ってくれて話をして、18市町村全部であるんですが、 18市町村長と議会議長がみんなで行って、自民党本部の一室を借りて、総務省の役人に来てもらって、合併問題で懇談した事があるんです。 そのときに、市町村長というより、議長さん方がみんな一斉に質問しました。地方交付税がこれからどうなりますかっていう質問を集中しました。 担当官曰く「3年、5年後のことは私どもでもわかりません。わかりませんので合併してください。」(笑い) これがその答えでございます。これは無理もないんですよ。これは小泉純一郎さんだって答えられないと思っております。わからないんです。

そこのところが問題で、そうなると、私だってわからないんで、後ほどちょっとお話ししますが、 こういう「自律への道」というシミュレーション作ってテレビ朝日のサンデープロジェクトで放送されたら、 あっちでもほしいこっちでもほしいと言われてもうやるのもなくなってしまいましたが、これを作ったときもわからないまま作ってあるんです。 将来のことをわからないまま勝手に予測して作ってあるんです。だからどうしてもやっていけんっていうのも、 町村長さんの気持ちも本当によくわかるんです。近隣町村長の意見を聞いてもわかるんですが、私は合併するとやっぱり村民にとっては不幸せだ という思いが強いんで、やっていけるというシミュレーションを作りました(笑い)。

そういうことなんです。わからないっていうことなんだから。そうなると公正性がなくなるという話が議論に出ると思うんです。 しかもやっていけないっていうところが多いんで、私がわからないまま、私だってわからん、私だって迷っていることを住民の皆さんに判断させる ということは酷なことだと考えているんです。今回はですよ。 どこと合併するかとか、どっちに決めるかというようなのは住民投票で決めればいいのかもしれませんが、今回合併するかしないかっていうことは、 住民に選択させちゃあ無理だと。資料ができないじゃないですか。合併したらこうなる、自律したらこうなるなんていうのを、 これはもうプロである市町村長や役場の職員でなければ考えられないと思っております。だから住民に判断させるのは酷で、 ここは市町村長や市町村議会議員、特に複数おる議会議員というのは、村長や町長が合併するって言ったって議会が反対したらできませんから。

鳥取県の智頭町で町長が合併するっていって、3回やって3回とも議会がだめっていって合併しないということになって 対立しているんですが、議会の責任が大事なんです。そうなると、こんな住民に判断させるのが難しい問題を、こういうときこそ戦後政治で初めて、 市町村長や議会議員が政治的決断を求められている時期だと思っております。

今までは補助金100万円余分にとってくればたいしたもんだって言われて、どんどん交付税も膨らんできた、収入も増えてきた、 よし敬老会ぐらいやって年寄りにみんな集まってもらって、一杯飲んでもらって、次の選挙も近いし、まあ飲んでもらおうかって、 「今日はいくらでも飲め」なんていう、そういう敬老会などをやったり、敬老会でも配ったり、何かあっても配ったり、民謡クラブにも補助金やって民謡しっかりやって…。とりあえずできたんです。そういう膨らんでくるときは楽しい政治だったんです。今は逆で、大変な時期なんですが、しかし戦後政治で初めて政治家として決断しないかん場面なんで、逆にいったら、学者の先生で言っておられた方がいましたが、これほど楽しい市町村長や市町村議会議員の時代はないって(笑い)。それは責任のない方が言うんですが、責任のある方はそんなもんじゃないけども、私は責任をとる時期だと思っています。

私は10年後、30年後、泰阜の村長、松島っていう村長がおって、あの時合併しなんだばっかりに、 あの馬鹿な村長のおかげでとんでもない目にあったって言われるかもしれません。それでも、私は今回の合併だけは、30年後に、 時の馬鹿な議会議員や馬鹿な村長のおかげでとんでもない目にあったといわれても、 今むしろ政治家の方が責任を持って道すじをつけるべきだと考えています。住民の皆さんに決めてもらうのは簡単だけれども、 そういうのは今回の合併じゃないと私は考えています。

泰阜村の財政

それぐらい難しい合併論議でございます。そういう中で私はあえて合併しない道を選んで財政の方をやっていくということに しました。うちの村は約20億、22億ぐらいの予算で、今年は20億を切りましたが、税収は2億円しかないんです。 すぐに生意気っていわれるんです。交付税が収入の50%です。私どもの17町村そういう風でございますが、交付税を一番多くくれたのは、 くれたって言う言葉はいかんと言われていますが、そもそも固有の財源なんで、税として配分されたということで考えております。 平成10年度に特別交付税と普通交付税と分かれますが、普通交付税が13億5400万円とレジュメに書いておきました。 特別交付税まで入れて14億7400万円ぐらいでした。

これが平成15年度にどうなったかと言いますと。13億5400万円が10億4500万円。3億円普通交付税が減りました。 特別交付税は、ほぼ同じ1億円くらいできました。

で、臨時財政対策債と言って、まあ、ちょっと専門的な話ですみみませんが、交付税の借金が増えちゃいかんので、 地方も国も一緒になって、一緒に借金をして、借金で賄おうとする部分もございますが、それが臨時財政対策債というもので補填しております。 それが約1億5000万円でございますから、3億円減った分の半分は臨時財政対策債で補填されております。 それでも1億5000万円、実質的に減でございます。平成10年までずっと増えてきたのが、減になりました。

三位一体の改革の今後

それが平成15年度、16年度から三位一体改革の話が始まって、その初年度16年度に、交付税は6.5%、 市町村にあっては全体において6.5%。臨時財政対策債28.5%、平均して12%減らすことになったんです。 平成11年、12,13、14、15年と減ってきて、16年度にさらに減ってきちゃったんで、これでもうほとんどのところが「参った」 ということなんです。参った。でも交付税を一番多くもらっているのは、市町村の中では札幌市です。札幌市、福岡市、 大きいところがたくさんもらっているので、本当は、いち西方町、いち泰阜村の問題じゃなくって、西方町、泰阜村は参るんですが、 別に西方町と泰阜村だけが参るんじゃない。全国の市町村がみんな参っちゃう。特に、交付税をこのまま減らしたら県が参っちゃうんです。

ということで、みんな16年度のまま続くんじゃ大変だと思ったんです。このままいったら本当に私もこの実質シミュレーションに、 この話を先にしておきますが、15年度11億9000万円の交付税になりました。それも9億円にまで減るっていう風に計算をして、 この実質シミュレーションを作ったんです。交付税を17%それより減るって。根拠は何ですかって、「根拠はありません」っていうことなんです。 それはまあ根拠なんて、さっき言ったとおり誰も示しておられないんで、わからないんです。でも、ただ9億円まで減るっていう 話で作ってございますが、今年16年度に減らしたら、たまたま参議院選挙があって、私ども9人の町村長で、私もそういっておるんですが、 ここまで地方が痛めつけられておいて、まだ政権与党を推す理由はないって明言する人が、私も明言しておるんですが、増えてきました。 私、今度自民党の参議院の候補に、今までは来れば応援演説してやったけど、今年は行かなかったんです。一度も顔を出さなかったんです。 それはだってこんなに一生懸命がんばってやっておる市町村を政権与党がいじめるような施策をするんだったら、 応援する理由はどこにもないじゃないですかって。ここだから言える話であって(笑い)、面と向かっては言いにくいじゃないですか。 だけどね、実は挨拶で、講演会の席上で言うんです、そういうことを。

という事もあって、5月25日は日本武道館で町長さんや我々も一緒になって大会もしたりもしまして、 参議院選挙もあって、参議院選挙もこれじゃ戦えないって声も地方からあがったみたいで、骨太方針2004は書き方が変わったんです。 これ以上抑制はする。交付税も含めて抑制はするけれども、税源移譲はうやむやだったのが、小泉裁定で3兆円はやるっていう事になって、 税源移譲は地方がやっていけないようなことがないような地方財政対策をするっていうような文言に変わりました。で、 6月17日に麻生太郎総務大臣が全国にある3000の市町村長と市町村議長宛てに手紙をくれたんです。 長野県は最初FAXで、今日中にFAXで送れという指令だったそうですが、「お」を付けて、「総務大臣からのお手紙」ってFAXで、 「お」なんていらん、なにも別に総務大臣から手紙が来たってそれでいいじゃないかって言ったんですが、その中に要するに総務省もがんばって、 骨太方針2004、これからの財政対策は地方は困らないように、もちろん抑制はするんだけども、税源移譲も含めて困らないような 対策をするっていう風な趣旨の手紙が来ました。ついては自民党もよろしく頼むってことは、後ろに書いてなくても透かして見れば、 入っている…書いてはございませんが、そういうことだったとは思うんですが、きました。

これを見るとね、やっぱり、考えてみると市町村がやっていけないような国が存在するわけがないですから。 国が市町村に多く仕事を出していて、やっていけないわけがないという事で、今年のような勢いで、 17、18年度はやらないというのはほぼ確定です。もちろん減りますよ、交付税は少しは減ります、どこまで減るかはわかりませんが、 今年のような事はないということは言えると思います。で、小泉さんが交代した段階で、まあ誰がやるかわかりませんが、増税ですよね。 誰が考えたって増税しなかったらやっていけっこないんですから。国民年金のことを含めたって増税しなかったら…恒久的減税って 3兆5000億と言われていますよね。税金の申告のときにみなさん最後に掛ける20%引いてるじゃないですか、 あれが恒久的減税、約3兆5000億って言われております。消費税1%で今2兆5000億ぐらいって言われおりますが、 5%なんで12兆5000億。

まあ17兆ぐらい増税しなければ恒久的減税もなくして跳ね上げなければやっていけない。 課税最低限を下げるしかないって話もありますが、私は課税最低限を下げる話には賛成なんです。そういう風にして、 上げざるを得ないんです。税収を上げるということはイコールで、税源移譲を住民税の振り替えでということでやりますから、 所得税は減るにしても住民税は増えます。でも、私のところは増えません。シカやイノシシやサルに課税しないと増えませんが(笑い)、 それでも相当、地方税が増えると、交付税振分け総額は、地方税が増えるので基準財政需要額が増えて交付税が減りますから、 それが配分されれば調整ができることになります。

ところが、交付税の原資の法定5税がございますが、法人税、酒税、所得税、たばこ税や地方消費税、それが増えますから、 今年政府が16兆円地方交付税を配っております。純粋な地方交付税です。赤字地方債を抜いた分です。 で、政府は今年の予算の中で法定5税の収入は11兆1150億円を見込んでおります。景気が回復して12兆円になるかもしれません。 12兆円は交付税の原資になるわけです。今のままの制度で、これを増税すれば13兆、14兆で交付税の原資ができるんです。 ということを考えると、交付税が半分になったり、ゼロになったりすることは今のままの制度で行けば、それは考えられません。 今も11兆1150億円今年政府は見ておりますから。16兆が11兆だったら、30%平均で振って配れば、 借金なしで交付税配ればだいたい原資はあると言うことを思うと、あんまりですね交付税が減っちゃって減っちゃってもうゼロにもなるので たいへんだっていう論議は、ちょっと拙速すぎではないかという思いから、私は9億円っていいましたが、今年の1月の段階では三位一体改革の、 先ほどの麻生総務大臣の手紙がくる前はですね、もしかしたら9億円といううちの村のシミュレーションを下回るんじゃないかっていう危機感に 襲われました。そのときはまあ、しょうないわなぁ、どうしようかと思って悩んだ、まあ毎日が悩みでございますが、悩んだ日もございましたが、 たぶん市町村がやっていけない、まあ減りますけれども耐えればいいんだということでございます。

で、今年の平成16年度の地方交付税が決まってきました。普通交付税が決まりました。うちは9億9600万円、 10億円を切ったということです。財政担当によると、うちの泰阜村の交付税が10億を越えたのが平成3年でございました。 平成2年は9億6000万円だったそうでございます。ということは、平成2年の決算書に戻れば、ほぼやっていけるっていうことになるんです。

ところが、いろいろ、各部会よくがんばって戻したなあと思って、戻ってきたんですが…、戻れない理由がございます。 公債費、借金の返済でございます。うちで約2億円増えておりまして、これは戻れません。ここは参っちゃうんですよね。この公債費の返済に。 これっだって、市町村の借金って言うのは、地方分権改革推進会議の水口小委員長は地方が勝手に借金したような事を言ったんだけど、 勝手じゃなくって、市町村は県の許可をもらって、国の許可をもらって借金するんです。市町村だけの責任じゃないって私は思っておるんですが、 それでもどうしようもない。しかも政府資金を、私はいろいろ研究したんです、この借金を借り替える方法とか、 10年の返済を20年にする方法とか、なんとかいろいろ研究したら、うちの村の場合ほとんどが政府資金なんです。 要するに政府が持っておる資金、簡保の資金だとか、年金の資金だとかいう資金運用部の資金で、これはもう絶対に特別の事情がなければ、 繰上償還もいけない、先に返してもいけない、そんな勝手はことは許さんということなんで、どうしようもない。 耐えにゃあしょうがないってことなんです。今、近隣市町村みんなどこも借金の返済がピークなんです。ここで参っちゃうんです。 だって国だって、うちだって造幣局があればどんどん印刷して出してやりたいんだけど(笑い)。 国は造幣局持っているもんでできちゃうんですね。

今度719兆円の借金になるっていうんだけど、こんなんどうやって返したらいいか考えた事ございます? うちに帰って700兆円を考えたら夜も眠れないと思いますよ。719兆円みんな返すんですから一緒に、地方の分も入っておりますが。 1万年とか2万年の財政計画を作らなければ返せないと竹中平蔵さんでさえ言っておるんですから、 1万年とか2万年、気が遠くなっちゃう話ですよね。お金を回して動かしているだけなんです。国がそうやってやっているんだから、 地方だってやったっていいじゃないかと私は思うんですよ。返せなきゃ返せないでですね、一時管理で、今年銀行で借りて、 来年度返したらって言ったら、それはだめだって。だって国だってやって、まあ20年だって言っておりますが、これが困っちゃうんです。

泰阜村の自立のための対策

ということで私は平成9年から借金の返済がピークになって大変だったんで、 うちの村でも一番が、平成9年に64人いた職員を平成15年は49人、15人ぐらい一般職員を削りまして嘱託に切り替えたりしました。 平成14年には助役を置かない条例というのを定めました。人口7000人じゃおらにゃだめだと思っておるんですが、 2000人ならいいってことでやったら、うちの近隣町村17町村あるんですが、うちが助役を置かない条例を決めてから、10町村で今、 助役か収入役かどっちかを置かないっていう風になっております。隣の南信濃村っていうところは6月の議会で、 収入役を置かない条例を定めておったところに次いで、助役を置かない条例を定めて、助役も収入役も置かない村になったんです。 その村長は土木・建築業出身の村長で、私は行政マン出身で、私ならいいけど、南信濃村…、その村長は近藤さんっていうんですが、 近藤村長では無理だと。「助役も収入役もいないなんてできんと思うよ」なんて言ったら、「そんなことはない何とかなる」 なんていっておりましたが(笑い)。そういう風になってきました。それで議会議員も定数を減らしたりして、 平成10年度4億8000万円の人件費が今年3億5000万円までになったんです。平成2年の水準まできました。

手柄話に聞こえて、これはちょっと述べるんですが、人を減らすということは過疎の山村にとっては大変な事です。 しかし、その考え方は時間があったら触れたいと思います。これでは、すべての住民サービスを全部20%カット、 民謡クラブの5万円とった補助金は4万円、身体障害者福祉協会にとった補助金は6万円で4万8千円という風に全部20%カット、 廃止すべきものは廃止して、全項目こういう風に拾い出してやって、ただ福祉だけは私の政治姿勢があるんで、福祉は手をつけないと。 後は全部カットといって、私の村長報酬も20%カット。ちょっとレジュメの一番最後に載っておりますが、 村長報酬を20%カットして54万5600円に。収入役、教育長。教育長は10%カット、「俺はもともと低いんで、村長何とか」って 教育長交渉をやってですね、まあ7%。議会もこういう風に減りまして、管理職手当も、管理職手当を払っているだけ大したもんですが、 こういうふうにしてなっとります。今日は組合の関係の方もおられるかもしれませんが、ラスパイレス指数が低いんですが、 これは決して給料が低いという意味ではなくて、中途退職者が多かったりするんで、低くなっているだけで安心していただきたいと思っております。 こんな様なことも含めながらやってきまして、人件費が4億8000万から3億5000万までしました。

しかしご案内のとおり、見ればわかるとおりですね、公債費が響いているんです。で、しかもこういう風に含めて全部やって、 全部村民への補助金、交付金、全部20%カットやって、シミュレーション作って、平成25年度まで行くシミュレーション作って出したんです。 それでも厳しいですね。私の報酬20%下げるって、これを19集落でこれをもとに懇談会したときに、私は一人ぐらい 「村長だけ20%下げんでもいい」って言う村民がいると思ったら一人もおられなかったですね、懇談会の会場に(笑い)。 というのは、私は村民を信頼しているつもりでございましたが、村民は村長をそんなに信頼していない。 要するに「あの野郎、給料たくさんもらってやがる」と思っているのが良くわかりました。

そういうことで何とかやっていく道を作ったんです。さらにですね、3億5000万の人件費を3億ぐらいにする目標でございます。

ちょっと人件費の事に触れておきます。福島県の矢祭町の根本町長さんは職員の数を半分ぐらいに減らすって言って おられるようです。そういうことを言われる皆さん非常に多いです。で、私は、これ以上職員を減らすって言うのは村にとっていいことは ないですね。若い者の働くところが減るってこともあります。で、大胆な提言をしておるんですが、私、人口2000人の村にまで国家公務員と 同じ給与表を使う必要はないんではないかと思うんです。800万円の給与を払っている人がいたら、400万円の人を2人使った方が いいんじゃないかって、そういう意味のワークシェアリングを考えていく時代になったのかなあと思っておるんです。 2006年から、いよいよ国も定期昇給を見直すってことで動いておりますし、今年は寒冷地手当を見直すって人事院が言っておりますが、 まあ、公務員の賃金が地場賃金を引き上げておるんだというのは、長い間の意見でございます。しかしそうではないんではないかというような 思いもございまして、職員人件費については、人件費のあり方そのものを、そこまで踏み込まなければ、実際ではないんじゃないかと思います。

それから最近視察にくる人の話を聞いておりますと、ある奈良県の村が来て人口2900人だって言うんだけど、資料見せてもらったら、 課が8つもある、8課、8人も課長がおるんです。私言ったんです「皆さん自律って言ったって、人口2900人の村に8人も課長がおったら 無理だってそんなん」そういうピークの時に合わせてあるんでそうなんですね。みんなそういう体制になっちゃってるんです。 これは無理です。私、最近岩手県の老人医療費の無料化の沢内村ってところに行って、それでも言ったんですが、 人口がこんなところに5課も5人も課長がいては無理だって言いました。しかもその奈良県の村は職員が80人もおって人件費7億円使って おるって言う。私、役場の職員がどういう仕事をしているか行って見てみたいと思う。ほんとに仕事があるんだろうか。 作ればあるんだろうけども。ものすごくきめ細かい仕事をされとるんだと思うんです。どうなんだろうかなあと思いますが。

で、議会議員は、私が言っておるのは、12万3000円ぐらいの報酬だと仕事を辞めてまで議会議員になるっていう程の 報酬じゃないんですよ。それじゃ困っちゃう議会議員の皆さんも。だから定年組が多くなるんですよ、議会議員が。若い人がなるんだったら、 もっと30万とか40万とか生活できるぐらいの報酬を出すのが一つ。もう一つは報酬出すの辞めちゃって、夜間議会とか休日議会にしっちゃって、 出勤報酬だけに、1日来たらいくらというだけに議会議員報酬を変えちゃってですね、誰でもできる様にという風にしたらどうかと考えておるんです。 それはいい案だなあって住民の人は言いますが、議会議員の人に話したら、それでも俺らの時期はやめてくれって、 俺の任期の内はやめてくれってまあいいますが(笑い)。まあそういうことだろうなと思っておるんですが。 そういう考え方を今まで聖域だったところに切り込んでいく気になれば、自律の道もあるんではないかということを私は思っております。

合併は誰のために、何のために

時間がちょっとオーバーしておりますが、最後に、この人件費を云々と言うと、 必ず、特にこの自治体問題研究所の学者の先生方は理解を示してくれておるんですが、中には組合の皆さんから単なるリストラ策ではないかって 話になるんです。ここだと、私は思っておるんです。

皆さんにも、ここで地方自治を考えて欲しいと思っておるんですが、私たちは何のために行政をしておるのか、 市町村長は何のために行政をしておるのかってことになると思うんです。私は、小泉総理大臣や田中康夫から任命された村長じゃないんです。 住民の皆さんから選挙で選ばれた村長なんです。

となると、今まで国や県の方に軸足が51%から52%あったかもしれませんが、これからはそんな時代じゃないだろうと。 住民の方に軸足を置くべきだろうと。ただ顔はなるべく住民の方に向けて歩いて、職員にも毎日のように住民の多い方へ顔を向けて といっております。と言いますと、私が守るべきものは何かということになるんですね。私は村民の暮らしを守るために村長として 存在するのではないかという事になるんです。

そうなると議会議員の報酬を守って、合併しても在任特例2年、高い方の報酬に合わせて2年も得をする、 できるかもしれない。議会議員の皆さんや合併しても職員の総務課長3人も4人もいらん、総務課長残ったのをどうするかという問題もありますが、 そうはいっても公務員の皆さんはすぐには首にはならない。で、公務員の皆さんは、本庁へ行けば、泰阜村の例でいえば、 本庁の方へ家を建てて出て行っちゃって、泰阜村おさらばって。

泰阜村にくる職員は、町長さんも私も立場も同じで良くわかるんだけれども、本庁から20kmも離れた島流しのような泰阜村には、 あいつはどうも仕事はできんし、よう役に立たんというような奴を大体遠くに送るに決まっておるんです(笑い)。そうなってしまえば、 泰阜って地域は、村のこと何にもわからん職員が支所に来て、しかも金のある奴は本庁の方へ行っちゃって、そこに残った住民はどうなるのかって 思った時に、私たちは合併によって当座守れるのは、議会議員が2年間の在任特例、役場の職員は当座守られるんですよ、異動はあっても。 一番被害を被るのはやっぱり弱い皆さんではないのか。泰阜村のようなところで合併をしたらということでございます。

で、これを思うと、住民の暮らしを守るために、職員の人件費を多少削られたり、今までの聖域に切り込まれたって、 そのことは耐えたってですね、やっぱり地域の住民の皆さんがよくなるような、どういう行政の枠組みで、どういう自治を守って、 どういう規模で行政をやったら、この地域が一番よくなるのかっていうことを真剣に考えて、 そこのところでやっぱりこの規模が一番いいってことになったら、じゃあやっていくためにはどうするか。 その時に例え村長の報酬が半分になっても、私、村長の報酬を半分にして、その代わり他の仕事もしていいと、兼業ですね(笑い)。 社会福祉法人の理事長も兼任するので、社会福祉法人の理事長の方から給与をもらって、役場は職員が、 「村長別におらんでもいい、印鑑だけあってくれれば」ってよく言われますが(笑い)。まあそのぐらいにしてですね。 そうしてでも村という政策決定ができる単位の自治組織を、自治である市町村を残しておくことの方が泰阜村の村民にとっては 絶対幸せだってことが私の最近の結論でございます。

そのためだったら、いいんです、職員の給与を50%減らすってテレビでしゃべった時に、 私がしゃべった後すぐにテレビ局が職員にインタビューしたんです。村長がそういっていますがどうですかって。 3人ぐらいの職員が、緊縮であれば仕方ありませんって言ったんです。それは長野県中流れて、SBCスペシャルっていうテレビ番組で、 「泰阜村の職員っていうのは偉いもんだ、支給が半分になっても働くって言っとる」って言い方で(笑い)。 私は、だけど職員給与は手をつけておりません。ただ最後の最後だと思っております。私はただ、職員に言っておるのは、 皆さんは泰阜村に奉職して、そのときの気持ちと言うのは、泰阜村のために本当に死ぬまで泰阜村でがんばると、汗水たらして、 もうこの村に骨を埋めるつもりで泰阜村の役場に就職するのであって、その村のためなら、給料が30%ぐらい減ろうが、 50%ぐらい減ろうが、公債費が減ってくるまで、3年や5年それに耐えれんような志の低さで職員になったわけではないだろうと。 皆さんの仕事は私も含めて、住民の暮らしを守るために働いている。公務員っていうのは。 その皆さんがここでがんばって生きていけるようにするためだったら、ちっとは給料ぐらい耐えろって言っておるんです。

原点はそこにあるんじゃないのか。結局合併したけど、町長や村長はすぐ失職します。 ざまあ見やがれって半分ぐらいは思うと思うんだけど(笑い)。だけど、町長や村長が失職して議会議員が減って、 職員は10年後、所詮またリストラやって減らすんです。最近うちらの方では、やっていけない同士が合併するってところがあって、 やっていけないところ同士が合併してどうやってやっていけるのかって(笑い)。大きい市へ入っちゃえばいいんですよ。 一番いいのは大きい市の傘の下へ入っちゃうのが一番いいんだけども。そうでもないと、合併しないとやっていけないところが 合併してやっていけるという、そういう錯覚に陥っちゃうのが問題なんです。そうじゃなくて、もう一回考えてみれば、耐える。 ここだけやってくれれば、うちらの村でいえば、福祉サービス、安心した福祉サービスさえ受けていければ、当面道路は5年遅れたっていい、 役場の職員の給与なんてもちろん減ったっていいなんて、みんな思っておると思うんだけれども、 ただ職員は路頭に迷わすようなことはさせちゃあいかんけれども、しかし聖域だった部分にも切り込んでいけば、 絶対生きる道があると思っておるんです。

その事が住民のためになるんだと思っておりまして、私は、これから皆さんもう一回原点に返って、冒頭の話にも戻るんですが、 皆さんが行政に求めておるのは何か、やっぱり自分たちが安心してこの地域で過ごしていける為だっていうような事だとしたら、 行政サービスはあれもいらん、これもいらん、じゃああれだけはってことがあると思うんですよ。 そういうことをみんなで作り上げていく事になるんではないかということを申し上げて私の話を終わらせてもらいます。


HOME本研究所のご案内|活動・イベントのお知らせ|
過去の活動・イベントとちぎデータベース地域・自治リンク